カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)とは何か?

カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)とは何か?

By Tailored cafe online編集部

カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)とは何か?
最近スターバックスではカフェインレス(ディカフェ)でラテやカプチーノなどのエスプレッソドリンクが飲めるようになったことで話題になりました。日本ではもともとカフェインレスコーヒーに対する認識が低位ですが、実は欧米ではコーヒー全体の10%がカフェインレスで飲まれるほど認知度が高いです。 ここまで欧米でカフィンレスコーヒーが人気になるには理由があります。それはカフェインにはメリットも当然あるのですがデメリットもあり、コーヒーの味は好きだけどカフェインは摂取したくないという人から人気があるからです。
日本ではカフェインが取れない妊婦の方などからカフェインレスコーヒーは人気で飲まれています。今回はそんなカフェインレスコーヒー、ディカフェコーヒー、ノンカフェインコーヒーについて書いていこうと思います。

カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)とは何か?

カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)とはひとことで言うと、コーヒーからカフェインの成分を取り除いて作った飲み物になります。呼び名がいろいろとあり、カフェインレスコーヒー、ディカフェコーヒー、カフェインフリーコーヒー、ノンカフェインコーヒーなどとも呼ばれています。 日本ではカフェインレスコーヒーを飲む人は妊婦であったり、夜寝る前だけ寝付けなくなると嫌だからカフェインレスコーヒーを飲むという人が多いですが、欧米ではカフェインの健康に与える影響を危惧してカフェインレスコーヒーを日常から飲む人がいます。 しかし、コーヒーからカフェインの成分を取り除く過程で肝心なコーヒーの味や香りが劣化することもあり敬遠している人が多いのも事実です。しかし最近では、カフェインレスにする過程でのコーヒーの劣化を防ぐために加工方法に様々な工夫がされています。
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カフェインレスとディカフェとノンカフェインコーヒーの違い

カフェインの入っていないコーヒーには呼び名がたくさんありますが、それぞれで微妙にニュアンスが違います。まずカフェインレスコーヒーとディカフェコーヒーですが、これらには少量のカフェインが含まれています。 一方でノンカフェインコーヒーにはその名の通りカフェインが全く含まれていません。ここがよく勘違いされるポイントなのですが、実はカフェインレスコーヒーやディカフェコーヒーにはほんの少しだけカフェインが入っているのです。 だからと言ってカフェインレスやディカフェを飲んだらいけないと言うわけではありません。あくまでごく少量のカフェインなので、妊婦の方や夜寝る前の方なのでも気にならないレベルの量になっています。
そして、ディカフェとはもともとカフェインの入っていたものからカフェインを抜いたものを指し、カフェインレスはカフェインの含有率が0.1%以下に抑えられたものを指します。

カフェインの摂取上限はどれくらいなのか

カフェインは飲みすぎると良くないということは何となく聞いたことがある人も多いかと思います。実際にレッドブルの飲みすぎで亡くなられたというニュースが流れることもありますし、日本でもカフェインの過剰摂取で毎年何人かが病院へ搬送されています。 そんな摂取し過ぎると健康に危険なカフェインですが、日本には明確な摂取基準が制定されていません。しかし海外では摂取基準を設けている国も多く、例えばオーストラリアとニュージーランドでは210mg、カナダでは400mgと制限されています。 実際にどれくらいのカフェインを1日に摂取しても良いかについては、個人差があり一概には言えませんが、コーヒー3杯〜4杯くらいまでを上限の目安として見ておくのが良いと言われています。
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カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)のメリット

普通のブラックコーヒーを飲むのをやめてカフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)に変えることにはメリットもあればデメリットもあります。カフェインレスコーヒーのメリットはカフェインを摂取することによるデメリットの裏返しです。

カフェインレスコーヒーは妊娠中でも飲める

カフェインレスコーヒーのメリットの1つ目は、妊娠中でも飲めるということです。コーヒーが好きな方が妊娠するとカフェインの摂取量に制限が入るので大変です。今まではそこまで気にせずに飲めていたコーヒーも妊娠することによって気軽に飲めなくなります。 しかし、カフェインレスコーヒーを飲むことでカフェインの摂取量をほぼ抑えることができるので、妊娠していたり出産後の方でもコーヒーが飲めるようになります。

カフェインレスコーヒーは夜でも飲むことができる

カフェインレスコーヒーのメリットの2つ目は、夜でも飲むことができるということです。カフェインを摂ることで夜眠れなくなるということは有名です。カフェインに慣れている人であれば免疫がついてそこまで眠くはなりませんが、それでも睡眠の質が低下することがあります。 しかし、カフェインレスコーヒーに切り替えることによって、夜コーヒーを飲んでも寝ることができるようになると同時に睡眠の質を向上されることができます。
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カフェインレスコーヒーは利尿作用を抑えることができる

カフェインレスコーヒーのメリットの3つ目は、利尿作用を抑えることができることです。これは特に運転中などで効果を発揮します。長距離運転をしているドライバーの方などはコーヒーを飲むことがよくありますが、途中でトイレをしたくなってもトイレがしばらくできないことがあります。 そのためにドライバーの間ではカフェインレスコーヒーをあえて飲む人が結構いるそうです。他にも、大事な仕事の前やテストの前などにカフェインレスコーヒーを飲むことでトイレにいく回数を減らすことができます。

他にもあるカフェインレスコーヒーのメリット

これらの他にもカフェインレスコーヒーを飲むことによるメリットとして、胃もたれを改善したり、冷え性を改善したり、貧血になるのを改善したりすることがあります。 このようにカフェインレスコーヒーを飲むことによって、本来カフェインを摂取することによって得られる効果を得られない代わりに、さまざまなメリットを受けることができるのです。
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カフェインレスコーヒー(ディカフェコーヒー)の作り方

カフェインレスコーヒーの製造方法ですが、これはかなり高度な技術が必要になるので自宅で簡単にカフェインレスコーヒーを作るのはできません。専用の機械を使ってカフェインレスコーヒーは製造されています。 そして、ひとことにカフェインレスコーヒーの製造と言ってもその製造方法はいくつもあります。カフェインレスコーヒーの製造方法はざっくりと「脱カフェイン法」と「カフェインレス・コーヒーノキ製造法」の2つに分けることができます。 脱カフェイン法はさらに「有機薬剤抽出法」「水抽出」「超臨界二酸化炭素抽出」の3つに分けることができ、 カフェインレス・コーヒーノキ製造法はさらに「遺伝子組換え」「人工交配による育種」の2つに分けることができます。

有機薬剤抽出法

カフェインを取り除く方法として世界で最初に発明されたのがこの有機薬剤抽出法です。1906年にドイツで開発されたのですが、これは化学物質を使ってカフェインを抽出する方法です。 有機薬剤抽出法は比較的に安価にカフェインを抜くことができるのですが、一方でケミカル・メソッドとも呼ばれており、化学物質が残ってしまうことがあります。そのために健康面での心配があります。 またカフェインを除去する過程でカフェイン以外の成分が損なわれて風味が落ちてしまうというデメリットもあるようです。日本ではこの製造方法によるカフェインレスコーヒーの販売は禁止されています。

水抽出法

有機薬剤抽出法の次に開発されたのが水抽出法です。この方法はスイス式水抽出法とも呼ばれています。1941年に開発されたのですが、この方法はざっくりと説明するとコーヒー生豆をまず水槽の中に入れて、カフェインとコーヒーの成分を取り除きます。 そしてコーヒー生豆を水槽の中から取り出して、水槽の中のカフェインの成分のみを取り除き、その水槽に再度コーヒー生豆を戻して、カフェイン以外のコーヒー成分のみを再度コーヒー生豆に付けるというものです。 コーヒー生豆を水槽から出したり入れたりするこの方法は、化学物質が直接的にコーヒー生豆に触れないので安全面は高いのですが、カフェイン以外のコーヒー成分を完全に取り戻すことができないというデメリットもあります。 おそらくカフェインレスコーヒーの製造で現在最もメジャーなのはこの水抽出法であり、カフェインレスコーヒーのパッケージなどに特段製造方法などが書かれていなければこの製造方法で作られたカフェインレスコーヒーだと判断して良いかと思います。
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超臨界二酸化炭素抽出法

超臨界二酸化炭素抽出法とは名前がかなり派手で難しそうですが、これは二酸化炭素を気体でも液体でもある特殊な状態にして、カフェインを取り除く方法です。液体でも気体でもある特殊な状態にすることで、コーヒー豆の内部まで二酸化炭素を通すことができます。 この方法は1974年に開発された方法であり、製造コストは比較的に高いのですが、コーヒーの味や風味が損なわれないことから現在カフェインを除去する方法として最も優れているという評価を多くの人がしています。

遺伝子組換え

今までご紹介してきた脱カフェイン法の「有機薬剤抽出法」「水抽出」「超臨界二酸化炭素抽出」はどれもコーヒーの味が落ちしてしまうという問題があります。そのために最近では更に高度な技術でカフェインを除去しようという研究が進められています。 その中の1つが遺伝子組換えです。この遺伝子組換えによるカフェインレスコーヒーの製造は日本人によって進められているのですが、コーヒーノキに遺伝子組換えを行ってカフェインの量を減らすというものです。 すでに1/3以下までカフェイン量を減少させることに成功はしているのですが欧米のカフェイン基準値を未だに大きく上回っており、現状では商品化までは至っていないようです。

人工交配による育種

コーヒー業界ではもともとさまざまな種類のコーヒーノキを交配して組み合わせることで品種改良を行ってきているのですが、その交配を工夫することでカフェインの無いコーヒーノキを作ろうという試みもあります。 この方法も遺伝子組換えと同様にまだ実用化までは至っていないようですが、将来的には脱カフェイン方法に変わってこれら最先端技術を活用したカフェインレスコーヒーが誕生するかもしれません。

代用コーヒーによってカフェインを回避する

カフェインレスコーヒーを飲む方法として、コーヒーからカフェインを取り除いたものを飲む方法をこれまではご紹介してきましたが、逆転の発想でコーヒー豆以外の作物からコーヒーに似た味を作る方法も存在します。 コーヒー豆以外の作物によって作られたコーヒー風の飲み物を「代用コーヒー」と言うのですが、このコーヒーはそもそもコーヒー豆を使用していないので、カフェインがもともと少ない又は存在しません。 有名なカフェインコーヒーとしては「たんぽぽコーヒー」や「チコリコーヒー」などがあり、日本でも妊婦の方などを中心に飲まれています。ただし代用コーヒーはいくらコーヒーに似せて作っていても味が少し違うので、コーヒー好きの方には馴染めない方もいるようです。
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代用コーヒーとは?コーヒー豆を使わないコーヒーの作り方

スターバックスもカフェインレスコーヒーに本気で取り組んでいる

カフェインレスコーヒーに対する各社コーヒーチェーン店の対応は今まではそこまで本気ではありませんでした。カフェでカフェインレスコーヒーを注文するといつもより抽出に時間がかかって待たされ、かつブラックコーヒーのみでエスプレッソはカフェインレスでは作れない一般的であり、コーヒー豆の販売についても、申し訳程度に1〜2種類のカフェインレスコーヒーしか販売していませんでした。 しかし、最近になってスターバックスコーヒーはカフェインレスコーヒーに本格的に参入してきており、ホットコーヒーだけでなくてラテやカプチーノなどエスプレッソ系のドリンクについてもカフェインレスで注文することができるようになりました。 二酸化炭素抽出法でカフェインを取り除いているのでコーヒーの風味もそこまで落とすことなく維持することができています。
また、スターバックスだけでなくコンビニコーヒーでもカフェインレスコーヒーを販売するお店が出てきており、ローソンの100円コーヒーでもカフェインレスコーヒーが飲めるようになりました。

カフェインレスコーヒーのおすすめはコトハコーヒー

カフェインレスコーヒーについては私も姉が妊娠してからいろんなものを探して検討しました。もともと姉はコーヒーが大好きだったのですが、妊娠してからカフェインの入っているコーヒーが飲めなくなりました。 そのためにカフェインレスコーヒーで美味しいお店を探したのですが、カフェインレスコーヒーを扱っているお店は意外に少なくてベストなコーヒーを探すのが大変でした。 その中でも私が最も良いと思ったカフェインレスコーヒーのお店はコトハコーヒーさんです。2児のママスタッフが運営しているそうであり、そのためかカフェインレスコーヒーのバラエティも豊かでとてもよかったです。 コーヒー豆のオンライン販売しているお店はパッケージのデザインがイケていないところが多いのですがここはパッケージのデザインのおしゃれなのでギフト用にも使うことができそうです。 カフェインレスコーヒーの購入を検討されている方におすすめです↓ このようにカフェインレスコーヒーは今まではそこまで大きな注目をされることはありませんでしたが、欧米では一定量のニーズがあり、日本でもじわじわと広がりつつあります。今後は更にカフェインレスコーヒーを飲める機会が増えていくことでしょう。
参照記事
コーヒーのカフェインによる利尿作用メカニズムとその対策