
近年、世界を大きく変えたスタートアップで一番有名なところはおそらくUberではないかと思います。2009年に創業して以来、着実に成長を続けててきており、資金調達額は総額で8,710億円($8.71B)にものぼっています。Uberの時価総額は10兆円にも迫っており、もはや異次元の領域に突入しました。
自動運転にも本腰を入れて取り組んでおり、移動手段のあり方を根本的に変えていると言えます。そんなUberをコーヒー業界にも取り入れようと本気で思っているスタートアップがニューヨークにあります。それが「Clowder」です。
普通のカフェと同じコーヒーを同じ値段で家まで届けてくれる
サービス内容はいたってシンプルです。ユーザーが家や仕事場のPCからラテやカプチーノ、ドリップなどのコーヒーを注文すると、それが家まで届けられるというものです。値段も良心的で、ラテが400円($4)エスプレッソが300円($3)、アイスコーヒーが300円($3)と普通のカフェと同じくらいの値段です。 ドリンクの種類も25種類あり、普通のカフェに行くのと全く同じくらいのドリンクを頼むことができます。時間もたった15分以内で届けてくれるので、ラテなどはカフェに行って注文するのが当たり前と思われていた今までのコーヒー業界のビジネスモデルを激変させるものとして注目されています。 現在はニューヨークの一部のエリアのみで行われておりますが、今後は徐々にエリアを拡大していくとのことです。創業者はマッキンゼー出身の500startups卒業生
創業者兼CEOのChristine Miaoは有名コンサルティング会社であるマッキンゼーの出身であり、Clowderを創業してからは、500startupsのBATCH13にも参加して卒業してるエリートです。 コーヒー業界にもUberのビジネスモデルを持ち込むことができる確信し、それを実行に移しております。店舗不要でカバーエリアが広いためにコスト大幅削減に成功
しかし、普通のカフェと同じ値段でそれを家まで届けるとなると、当然収益が取れないのではないかと思います。しかし、収益をしっかりと確保するために、ビジネスモデルに工夫がされております。 1つ目のポイントは、店舗不要である点です。実店舗を持たないので、普通のカフェのように人通りの多く家賃の高い場所の1階部分に店舗を構える必要もなく、また座席やレジなどのスペースを準備する必要もありません。オフィスの中にエスプレッソマシンを一台おけばそれで完了です。 そのために普通にカフェを開くときに比べて店舗が不要であり、コストを大幅に抑えることができます。また、新しい店舗を出す際にも、1週間もあれば新店舗の準備から開業まで行うことができ、スピーディに動くこともできます。2つ目のポイントは、カバーエリアが広い点です。普通のカフェと比べてデリバリーに特化しているために、1店舗でカバーできる範囲が広く、スターバックスが3店舗でカバーしている範囲をClowderであれば1店舗で全てカバーできるとのことです。そのために1店舗で絶対的に受けれらる顧客の数が広がり、相対的にコストを削減することができます。 以上2点のビジネスモデルの工夫から、コストを既存のカフェと比べて抑えることができ、最終的には収益をあげることができる算段になっております。 ニューヨークに旅行で行った際には、ホテルで頼んでみても面白いかもしれませんね。もしかしたら、今後このようなビジネスが日本でも流行って、ラテを職場や家にデリバリーしてもらえる日が来るかもしれません。
