カフア コーヒー

By Tailored cafe online編集部

●珈琲豆焙煎 KAFFAという店●
皆さんご存知でしょうか、群馬県の赤城山の南の中腹の山の中にそのお店はひっそりと佇んでいます。

「あら、コーヒー豆ができるの?」と時々言われますが、栽培はしてなく、焙煎をしています。

「あら、コーヒーがのめるの?」と時々言われますが、今のところカフェではありません。
そのうち、この山の中で、お客さんが寛ぎながら、ゆっくりと不味くないものを食べたり、おいしいコーヒーを飲んだりできる食堂みたいなもんをやりたいなあ、という夢はあるそうですが。

今は コーヒー豆を売っていて、いわゆる自家焙煎コーヒー豆屋として営まれているよう。
コーヒー豆を、わざわざ、山まで買いにいらしたお客様は、当然飲めますし、淹れていただけるそうです。
その他毎週、金曜日と土曜日には、kaffa busと呼んでいる40歳になるワーゲンで移動喫茶店を営業したり、日曜日を中心にイベントに出店したりしています。

小さい頃からコーヒーが好きで気がつくと、コーヒー中毒になっていたらしく、20年位前に縁があって、コーヒー豆の焙煎を始めたそうです。
たくさんの種類の豆を売るコーヒー豆屋ではなく、現在焙煎しているのは、エチオピアハラー、東チモール、グアテマラの3種類限定です。
時折、イエメンモカもあります。
基本的にこの3種の豆を使ったブレンドを販売し、自分が飲みたいコーヒーだけを焙煎するのです。

僕が飲みたいコーヒーは、濃くて、深くて、苦さの中に酸味がある複雑な厚みがある味で、野生的な豆が醸し出す森の土の匂い、風の匂い。
エチオピアの森 、イエメンの乾いた大地 、東チモールのジャングルコーヒー 。
コーヒー豆は、植物でその場所の風土を取り込んでいます。
風土を感じられるコーヒーを、プランテーションの風土(過酷な労働と貧困、化学肥料や農薬も含め)ではなく、自然に根ざした人々が暮らす風土と野生のくつろぎを目指しています。

●なるべくオーガニック
もう20年以上前のこと、kaffaは福島県葛尾村の山の中で「kaffa葛尾」として、営業を開始しました。

20代前半から、東京で無農薬の野菜を扱う仕事をしていたから、コーヒー豆も、当然、有機栽培のものを使いたかった。
今のように世界中からオーガニックだの、フェアトレードだのの高品質の豆が選べる時代じゃなく、4種類くらいしかなかったそう。

その中のひとつが、「エチオピア モカ ハラー」でした。
その他には、メキシコとブラジルにそれぞれ、有機栽培の農園の豆が手に入り、何度も焙煎したが、結局、エチオピア以外は好きになれず、その後グァテマラの有機栽培が選べるようになり、これはおいしいなあと思って以来、エチオピアモカハラーとグァテマラの2種で自分好みのブレンドを作っているそうです。

当時、オーガニック認証なんてものは日本にはなくて、エチオピアモカハラーは、「小規模農家による伝統的農法による栽培」で、農薬や化学肥料なんか使う金も労力もなく、「当たり前のオーガニック」とされていた。
多分、農法と言っても、「栽培というより、採集に近い」、森に自生するコーヒーの実を収穫することが、その農法だったと思います。

グァテマラは、海外のオーガニック認証を持っていた。
その後、日本にも「JAS認証」が導入されて、グァテマラの農園はきちんとJAS認証をとった。
だけど、エチオピアのハラーは、オーガニック認証なんて無視し、多分、きちんとしたいわゆる「農園」じゃないから、認証なんて取れないし、取る気もないんだろう。
今や我が愛するエチオピアハラーは、オーガニックとは名乗れなく、kaffaが「なるべく」オーガニックなコーヒー豆屋と自称しているのは、そのせいです。

時代はかわりエチオピアでも、農民が生産組合みたいなものを組織して、きちんと管理して、認証を取ったりしている地域もあるそうです。
だけどハラーにはたぶんない。僕には見つけられない。

「きちんとした管理」と「きちんとした組織」…。

たぶん、素晴らしいことなんでしょう。
農民にとって、 より良い生活なんだろう。世界中のコーヒー産地にあるであろう、管理された素晴らしい農園から産み出される高品質なクリーンなコーヒー豆たち…。
素晴らしいことに違いない、とは思うんだが、エチオピアの高地の森の中で、自生している原生種のコーヒーの木に、季節毎に実るコーヒーの果実を、決してリッチではない家族が代々受け継ぐ狭い範囲を総出で収穫して、水洗いしないで果実のまま、ムシロみたいなものの上に拡げて乾燥、熟成させる。

ちょっと発酵してる。
ハラーの風土が味に刻まれ、ナチュラル精製の豆。
それを麓の街から集めにくる業者に売る。
そうして命を繋げている。貧しいけど、たぶん、不幸じゃない。管理も組織もない。
野生のコーヒーに野生の人々。

これは、ただの僕のファンタジーかも知れないけど、kaffaが、「絶対にエチオピアハラーを使い続ける」であろう理由。

kaffa blendは、このエチオピアハラーのちょっと深煎りと、有機栽培グァテマラのかなり深煎りを2対1の割合で混ぜたものです。

流行りのクリーンなコーヒーとは言えないかも知れない。
けど、毎日こればかり飲んで20年以上の方でも飽きないずに、おいしくのめるのも特徴だと思います。