カフェと喫茶店(純喫茶)の違いは何か?実は異なる業務内容

カフェと喫茶店(純喫茶)の違いは何か?実は異なる業務内容

By Tailored cafe online編集部

カフェと喫茶店(純喫茶)の違いは何か?実は異なる業務内容
カフェと喫茶店というなんとなく同じ意味なようで違う言葉があります。特に使い分けることなくどちらの言葉も使っている人も多いかと思いますが、実はカフェと喫茶店では微妙に意味合いが異なります。 イメージとしてなんとなく今風のおしゃれな明るい店がカフェで、昔ながらの少しレトロな雰囲気を出しているお店が喫茶店だと思っている人もいるのではないでしょうか。
今回はそんなカフェと喫茶店の違いは一体何なのか、そもそも「喫茶店」とはコーヒーという単語が入っていないけどどういう意味なのか、などについて書いて行こうと思います。
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カフェと喫茶店の違い

カフェと喫茶店は同じ意味だと思っている人も多いかと思いますが実は”営業許可”によって意味合いが異なっているのです。食品関連を販売して提供するには許可を申請する必要があるのですが、カフェは”飲食店営業許可”を取得する必要があるのに対して、喫茶店は”喫茶店営業許可”を取得します。
カフェ・・・飲食店営業許可(取得が難しい) 喫茶店・・・(取得が楽)
食品を提供するための許可は意外に取ることが難しくて、許可が取れるまでに時間がかかってしまい飲食業を開業できないということもあるようです。 一般的に喫茶店営業許可は飲食店営業許可よりも許可を取りやすいので、楽に許可を取るならば喫茶店営業許可を取って喫茶店を名乗る方が良いのです。 しかし、喫茶店営業許可ではお酒を出したり、単純な加熱以外の調理全般ができないというデメリットがあります。なので、喫茶店はコーヒーや紅茶やお菓子などしか提供できないのですが、カフェはお酒を出したり手の凝った料理を提供することもできるのです。
カフェ・・・お酒も提供できる 喫茶店・・・お酒は提供できない
ちなみに紛らわしいのですが、あくまで営業許可は裏側の話であり、お店の名前にもそれを反映する必要はありません。そのために例えば「カフェしろくま」という名前のお店があったとしても実際は喫茶店であったり、「喫茶店すみれ」というお店があったとしても実際はカフェであることもあります。
お店の名前はそのお店の雰囲気を作るためにも重要なので、あえて喫茶店なのにカフェを名乗ったり、カフェなのに喫茶店を名乗るお店が出てくるのです。喫茶店営業許可しか取っていないのにお酒を提供するのは違法ですが、それをしない限りはお店の名乗り方は自由なのです。
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喫茶店と純喫茶の違いについて

カフェと喫茶店の違いは営業許可の種類の違いでお酒を提供できるかどうかでしたが、カフェと喫茶店の違いに似たものに喫茶店と純喫茶の違いというものがあります。 純喫茶と喫茶店の違いもお酒を出すかどうかです。今も昔もお店によっては昼はコーヒーなどを提供し、夜はお酒を提供するお店があります。そのタイプのお店とコーヒーだけを1日中ずっと提供し続けるお店を区別するために”純喫茶”という呼び方があります。
純喫茶はコーヒーだけを1日中提供し続けるのに対して、喫茶店は昼はコーヒーで夜はお酒を提供します。今ではあまり純喫茶という呼び方は聞かなくなりつつありますが、昔の名残で純喫茶と名乗るお店も存在しています。
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喫茶店とはそもそもどういう意味なのか

そもそもの話なのですが、喫茶店という言葉にはコーヒーという単語が入っていません。喫茶店の別の呼び方として”茶店(さてん)”や”茶房(さぼう)”や”茶寮(さりょう)”と呼ぶこともありますが、これらの言葉にもコーヒーの文字は全く入っていません。 喫茶という言葉が日本で使われ始めるようになったのは鎌倉時代の頃であり、当時は中国から伝えられたお茶を飲むことを指しました。しかし、次第にその意味は拡大していき、お茶に限らずコーヒーやジューズなどを飲むことも喫茶という言葉に含まれるようになりました。 その後しばらくしてコーヒーを飲むカフェが世界的に拡大していくと、ヨーロッパ風の”カフェ”やアメリカ風の”コーヒーハウス”とは違う日本独自のコーヒーを飲む場所という意味合いから”喫茶店”という言葉が使われるようになりました。
ちなみに余談ですが、日本初の喫茶店は「可否茶館」というお店であり東京の上野で開業されました。それまではごく一部の人にしか飲まれていなかったコーヒーを一般人でも飲めるようにした先進的なお店でした。 もともとは外務省で働いていた鄭永慶(ていえいけい)によって経営されており、トランプやビリヤードなどの遊び道具や、新聞や書籍、化粧室やシャワー室などもあったそうです。現代のTSUTAYAと提携しているスターバックスのような感じに近いかもしれません。 海外のカフェがそうであったように日本でもコーヒーを飲みながら人が交流して文化知識を高めたいという想いから日本初の喫茶店である可否茶館は始まりました。しかし、経営はうまくいかず、わずか4年で閉店しました。 以上、このように喫茶店とカフェには実は業務内容に応じたしっかりとした違いがあり区別されているのです。お酒が提供できるかなど差はあるものの、どちらも美味しいコーヒーを提供して人々に癒しを与える場として、今も私たちの生活を支えています。
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