
今回はメキシコのコーヒー豆に関してご紹介していこうと思います。メキシコと言って想像することと言ったら、とりあえずアメリカの下に位置していることと、あとはコロナビールとテキーラでしょうか?(お酒ばっかりw)
実はそんなメキシコはコーヒーについても盛んに生産されており、コーヒーが好きなのであれば、ビールだけじゃなくてコーヒーも是非飲んでおきたい国です。そんなメキシコのコーヒー豆についての特徴をまとめていきます。
目次
1). そもそもメキシコってどんな国か 2). メキシココーヒーの歴史 3). メキシコ産コーヒーの栽培方法 4). メキシコのウリはオーガニックコーヒー 5). メキシコ産コーヒーの味 6). 「メルセデス」がメキシココーヒーでは人気 7). メキシコ産コーヒーの等級付けそもそもメキシコってどんな国か
メキシコはラテンアメリカの北に位置しており、アメリカの南に位置しています。面積は197万㎢であり、なんと日本の5倍くらいの大きさで意外に大きいです。人口は1億2,000万人くらいで日本とほぼ同じです。 メキシコは予言で有名なマヤ文明がもともと栄えていた国であり、神秘に包まれながらずっと発展してきていました。しかし16 世紀にスペインなどによって植民地支配され、19世紀にようやく独立しました。もともとは農業を中心に成り立っていたのですが、地下資源の開発や工業化が進んでおり、他のコーヒー豆の生産国にありがちな、コーヒーなどの農産物を中心とした国とは、少し路線が違っています。 しかし、国民の半分以上は農業を行っており、農業がメキシコを支える基幹になっていることに違いはありません。もともと伝統的に農業をして栄えていた歴史があるので、農業の基盤は確たるものがあり、メキシコはラテンアメリカの中では、ブラジル、コロンビアに次ぐNo.3のコーヒー生産国です。

メキシココーヒーの歴史
メキシコでコーヒー豆の木が栽培されるようになったのは、1795年にスペイン人によって植民地支配された際に、スペイン人が移植したのがきっかけであると言われています。 実際メキシコはコーヒー豆を栽培するのに適した条件を全て持っていたのですが、コーヒー豆の栽培は最初はあまり普及しませんでした。もともと金や銀などと言った鉱物が盛んに採れる地域だったので、わざわざコーヒーを育てる必要もなかったことが理由だと思われます。 またヨーロッパ人によって農地がプランテーションとして支配され、小作農が育ちにくい環境でもありました。しかし、メキシコ革命によって1914年に農奴が解放されると、それまでプランテーションで働いていた小作農が自分の地域でコーヒー豆を栽培するようになり、少しずつ普及していきました。 第二次世界大戦後には、コーヒー豆の栽培がさらに拡大して、現在ではコーヒーはメキシコの農業を支える重要な農産物の1つになっています。一昔前まではコーヒーはメキシコ内では高級なものであったので、メキシコ人自身が飲むことは難しかったのですが、現在ではカフェブームなどの影響で、メキシコ国民自身も美味しいコーヒーが飲めるようになりました。メキシコのコーヒー業界には、メキシコ国立コーヒー研究所とコーヒー協同組合という2つの大きな存在があります。この2つはメキシコ全体のコーヒー生産を影でずっと支えてきた重要な機関になります。 まず、メキシコ国立コーヒー研究所では国が主導となって、コーヒー栽培は先進国へ輸出をすることで外貨を獲得することができると考えられ、国をあげてコーヒーの生産性を向上させました。その結果として、メキシコの地方エリアを中心にコーヒー豆の生産が拡大しました。 次に、コーヒー協同組合ではメキシコのコーヒー農家が仲介人から不当な値段でコーヒー豆が売買されることを防ぎ、コーヒー農家を搾取から保護する目的で作られました。また、よりコーヒー豆の付加価値を高めるために、オーガニックコーヒーの栽培を推進し、現在のメキシコのコーヒーの基礎を作ることに貢献しました。
メキシコ産コーヒーの栽培方法
(1)高い標高がメキシコ産コーヒーを可能にする
メキシコはもともと高温多湿なエリアなのですが、国土のほとんどが標高1,000m以上の高地であるために、コーヒーの栽培が可能になっています。険しい山岳地帯なので傾斜が急であり、労働生産性が落ちてはしまい生産量は限られてしまいます。 この標高の高さによる影響で、昼と夜の温度差が大きくなり、身の引き締まった美味しいコーヒーを栽培することが可能になります。(2)メキシコの気候が美味しいコーヒーを育てる
先ほども書いた通り、メキシコの気候は基本的に高温多湿なのですが、標高の高い山岳地帯では、温帯に近い気候になっています。降水量は年間で1,400mm〜2,000mmと最適な雨量であり、平均気温も19度とベストな環境になっています。 また土壌に関しても肥沃な土壌が整っており、農薬の使用を最小限に抑えて育てられいることでもメキシコのコーヒーは知られています。コーヒーの木以外にも植えられている他の樹林がシェイドツリーとして日陰を作り、日照量のコントロールにも役立っています。(3)メキシコ南部にコーヒー栽培は集中している
メキシコ内においてもコーヒー豆の栽培は南部に集中しています。メキシコ北部は乾燥地帯であるために、なかなかコーヒー豆の栽培を行うのが難しいためです。メキシコ南部は高温多湿のエリアなのですが、高地であるためにコーヒー豆の栽培が可能となります。メキシコのウリはオーガニックコーヒー
メキシコ産のコーヒーは傾斜の急な山岳地帯で栽培されているのがほとんどなので、基本的にはコーヒー豆の収穫は手摘みで行われます。手摘みで行うために、成熟したコーヒーチェリーだけを見分けて丁寧に収穫することができます。 手摘みされたコーヒーチェリー丁寧に水洗処理された後に、太陽光を活用した天日乾燥で乾燥させて仕上げます。コーヒー豆の収穫から加工に至るまで丁寧に行うこの方法により、欠点豆の少ない高品質のメキシココーヒーが作られます。この手作業は50万人を超すとも言われているメキシコの小規模のコーヒー農家によって成り立っています。まさに人の手によって1粒1粒丁寧に作られたコーヒー豆になります。 このメキシコ産コーヒー豆の生産量は、ラテン・アメリカ内で見ると、ブラジルとコロンビアに次ぐ第三のコーヒー生産国になります。世界全体で見てもトップ10に常に入るようなコーヒー大国です。 メキシコで生産されるコーヒー豆の約70%はアメリカに輸出されます。しかし最近ではメキシコのオーガニックコーヒーが日本でも注目されるようになっており、日本でも高品質のメキシココーヒーが普及しつつあります。
メキシコ産コーヒーの味
メキシコ産コーヒーの味をひとことで言うと、すべてのバランスがしっかりと取れた安定性のある上品なコーヒーです。コクはあるのですが、酸味と甘みのバランスが良く調和されており、柔らかくて上品な感じがします。 さっぱりとしたキレもあり、芳醇な香りも飲む人をリラックスさせます。一度は挑戦してみて後悔の無い美味しいコーヒーだと思います。「メルセデス」がメキシココーヒーでは人気
メキシコのコーヒー生産地は、太平洋側中南部のオアハカ州、メキシコ湾のべラクルース州、グアテマラ国境沿いのチアパス州の3つに大きく分けることができます。どのエリアで生産されるかによって気候条件などが異なるので、同じメキシコ内でも味が微妙に異なってきます。 この3つのエリアの中でも最も人気なのがメキシコのオアハカ州で生産される「メルセデス」というコーヒー豆です。メルセデスといったらベンツを想像すると思いますが、別にベンツは関係ありません(笑) このメルセデスという名前は、メキシコのあるコーヒー農家の娘の 「メルセデス」という名前をそのまま取ったと言われています。もともとはスペイン語で神の恵みという意味があるそうです。 このメルセデスがメキシコ産コーヒー豆では圧倒的に人気ですが、他にも「メキシコアルチュラ」といったコーヒー豆の種類が一部で人気になっています。メキシコ産コーヒーの等級付け
メキシコ産コーヒーの等級付けは、コーヒー豆が栽培される標高によって決まります。より標高が高いエリアで栽培された方がより等級の高いコーヒー豆となります。 具体的には、1,700m以上の標高で作られたコーヒー豆はStrictly High grown(SHG)、1,000~1,600mの標高で作られたコーヒー豆はHigh grown(HG)、700m~1,000mの標高で作られたコーヒー豆はPrime washedと呼ばれています。 High grown(HG)については、スペイン語で「アルトゥーラ」とも一部の人からは呼ばれています。アルトゥーラはその味と品質の高さから多くの人から愛されています。コーヒー豆を表記する際には、ただ単に「メキシコ」と書くことも多いですが、「メキシコAL(アルトゥーラ)」などと等級付けと一緒に書く場合もあります。