
日本は高齢化社会が進んでおり、それに伴って認知症になる人の数も増加しています。実際に85才以上の1/4は認知症であるとも言われており、深刻な問題になっています。
そんな認知症を防ぐための方法として最近になってコーヒーが注目されています。コーヒーには「トリゴネリン」という成分が含まれており、その成分が認知症に効くためです。
今回はそんなコーヒーに含まれているトリゴネリンという成分について、トリゴネリンとはそもそも何か、トリゴネリンは認知症にどのような効果をもたらすのか、などについて書いていこうと思います。
トリゴネリンとは何か
トリゴネリンとはひとことで言うと、コーヒーに含まれている成分のひとつであり認知症や脳の老化に効くと言われています。コーヒーの成分としてカフェインやポリフェノールが含まれていることは有名ですが、トリゴネリンという成分まで知っている人はコーヒー好きにも少ないかと思います。 認知症や脳の老化が進むと、神経細胞のニューロンが情報伝達物質を円滑にやりとりできなくなってしまいます。すると物忘れがひどくなったり、上手に記憶できなくなったりします。コーヒーに含まれているトリゴネリンにはこの神経細胞を活性化させて、新たな情報伝達の回路を作ることができるので、結果的に認知症や脳の老化に効果的であると言えます。 コーヒーに含まれているカフェインと同じくらいの量がトリゴネリンには含まれており、コーヒー以外でしたら海産物やセロリなどにも多く含まれているそうです。

トリゴネリンはコーヒー焙煎の熱に弱い
トリゴネリンはコーヒーの生豆の状態で最も多く含まれていると言われています。それはトリゴネリンが熱に弱いからであり、焙煎して高温で加熱するとほとんどのトリゴネリンが無くなってしまいます。 一般的に200度を超えるとほとんどのトリゴネリンが無くなってしまうので、焙煎具合を200度以下で浅煎りにするか、焙煎前にトリゴネリンをコーヒー生豆から抽出して、焙煎した後のコーヒー豆に再度還元する必要があります。トリゴネリンをいかにコーヒー豆に保持しておくかについてはコーヒーメーカー各社が研究を進めており、深煎りのコーヒーでもトリゴネリンを失わずに飲む方法が開発されています。
コーヒーに含まれるトリゴネリンの効果・効能
トリゴネリンはコーヒーの生豆に含まれる成分ですが、これは富山医科薬科大学の教授によって発見されました。実際に生きたマウスを使ってトリゴネリンの効果を実験することによってトリゴネリンを含んだコーヒーを飲むことが認知症の改善に結びつく可能性があると証明しました。 このことからトリゴネリンには神経細胞を成長させる作用が持っていると考えられるようになり、コーヒーを飲むことが認知症に効くということが分かりました。認知症以外にも単純な物忘れや痴呆症やアルツハイマー症の予防効果も期待されています。カフェインレスコーヒーなら高齢者の方でも飲める
なるほどコーヒーに含まれているトリゴネリンには認知症の予防効果があるのか。ではこれを機会にお年寄りの方にコーヒーを飲んでもらおうと考えるとひとつ問題が発生します。それはコーヒーに含まれている別の成分のカフェインです。 カフェインは高齢者の方はできるだけ摂取しすぎない方が良いとされています。これは年齢とともにコーヒーのカフェインに対する免疫が落ちていき、カフェインの作用が過剰に働く危険性があるためです。なので高齢者の方にコーヒーを飲んでもらう場合にはカフェインレスコーヒーがおすすめです。カフェインレスコーヒーであればトリゴネリンの成分は入ったままでカフェインの成分はほとんど排除されているので、安心してコーヒーを飲むことができます。 このようにコーヒーに含まれているトリゴネリンには認知症への効果が期待されています。大好きなコーヒーを飲みながら認知症の予防もできれば一石二鳥ですね。
